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クレープキッチンカーの開業費用はいくら?【34店舗を展開する本部の実例】

クレープのキッチンカーを開業するには、いくら必要なのか。

結論から書きます。中古車ベースなら250万円前後から、新車で製作しても500万円までです。よく「キッチンカーの開業費用は350〜700万円」という相場を見かけますが、こと、クレープに関して言えば、どう作っても700万円はかかりません。かけすぎです。

この記事では、全国34店舗のクレープキッチンカーを展開する本部として、実際の見積書・実際の購入価格をもとに、開業費用の内訳をすべて公開します。推測や「〜程度」という幅のある数字ではなく、実数で書きます。

一般的な「キッチンカー開業費用の相場」はどうなっているか

まず、世間で言われている数字を確認しておきます。

キッチンカー開業の情報サイトでは、開業費用の総額はおおむね「350万〜700万円程度」と紹介されることが多いです。車両の取得・改造に300〜500万円、設備・備品に50〜100万円、その他諸費用、という内訳です。

この数字自体が間違いというわけではありません。ただし、これはすべての業態を含んだ平均的な話です。揚げ物をする、多品目を調理する、大型トラックをベースにする——そういうキッチンカーなら、たしかに600万、700万とかかることがあります。

クレープは違います。

クレープは「軽い業態」——だから安く収まる

クレープのキッチンカーに必要な調理設備は、突き詰めればクレープ焼き器と冷蔵設備です。フライヤーもグリドルも大型換気設備も要りません。給排水も比較的小規模で済みます。

つまり、業態として構造的に開業費用が安く収まるのです。これは工夫の話ではなく、クレープという商材の性質です。

19年この業態をやってきて、34店舗の開業を見てきた立場から言うと、クレープのキッチンカーで新車500万円を超える見積もりが出てきたら、それは何かが過剰です。

実例:新車で作った場合の費用(実際の見積書から)

2025年に実際に製作した新車キッチンカーの見積書をもとに、内訳を公開します。

車両:スズキ キャリイ(新車・エアコン/パワステ・4WD)ベースのキッチンカー仕様

項目金額
車両本体(値引き後)1,261,400円
ケータリングBOX(荷台のキッチン架装)767,800円
給排水シンク(2層・100Lタイプ)107,800円
インバーター取付(1500W)72,600円
軽断熱材・窓・作業台・その他架装約279,000円
諸費用(8ナンバー登録・税金・保険等)約273,000円
車両合計約276万円

これに、営業に必要な機材を揃えます。

機材・備品(実際の購入価格)

項目金額
ガスクレープ焼き器80,000円
コールドテーブル(業務用冷蔵台)130,000円
電源(発電機 約12万円 または ポータブルバッテリー 約7万円 のどちらか)70,000〜120,000円
仕込み用品一式約40,000円
販促用品(のぼり・メニュー表示等)約50,000円
熱源関連(当店はプロパンガス。小規模な熱源で済む構成もある)約30,000円
レジ・会計関連約20,000円
自宅保管用冷凍庫約30,000円
機材合計約45〜50万円

電源は発電機とポータブルバッテリーのどちらか一方があれば営業できます。出店場所で電源を借りられることもあるので、営業スタイルに合わせて選んでください。

焼き器の選び方(ガス式・電気式・バーナー式の比較)は、こちらの記事で詳しく解説しています。

資格・許可・保険(開業時に必要な実費)

項目金額
保健所の営業許可約18,000円(地域により若干変動)
食品衛生責任者の講習受講10,000〜12,000円(都道府県により異なる)
キッチンカーの任意保険(年間)30,000〜40,000円
PL保険(年間)約11,000円〜
初期仕入れ約30,000円

合計すると、新車の場合で約350万円。これが実際の数字です。

「新車500万まで」と冒頭に書きましたが、実例ではさらに下回ります。500万円という数字は、装備を厚くしたり車両サイズを上げたりした場合の上限ラインと考えてください。

実例:中古車の場合は250万円〜

車両を中古にすると、費用は大きく下がります。

クレープ仕様の中古キッチンカーは、程度により150万〜200万円が多い価格帯です。これに上記の機材・許可・保険の実費(約55〜60万円)を足して、総額250万円前後からが現実的なラインになります。

ただし中古には注意点があります。

中古車選びは開業費用を左右する最大の変数です。相場より極端に安い車両は、購入後の修繕や塗装でかえって高くつくことがあります。

この金額の「外」にあるお金——運転資金を忘れずに

ここまでの数字は、あくまで開業時に払う実費です。そして正直に書きますが、キッチンカーは1年目の営業がいちばんきついです。

これは19年見てきた実感です。開業初年度から順調に回る店のほうが少数派で、多くは「場所探しと試行錯誤の1年」を経て安定していきます。

だから、当面の生活費は最低6ヶ月分を見てください。可能なら1年分あると気持ちに余裕を持って場所探しができます。

開業費用ぴったりの資金で始めると、軌道に乗る前に資金が尽きます。車両・機材の費用とは別に、運転資金を確保した上で開業してください。

まとめ:クレープキッチンカーの開業費用

この記事の数字は、2025〜2026年時点の実際の見積書・購入価格に基づいています。仕入先や地域、時期により変動はありますが、「桁が違う」ことはありません。見積もりを取ったとき、この記事の数字と大きくかけ離れていたら、内訳を確認することをおすすめします。

クレープ屋の開業資金は、結局いくら必要?

ここまでの費用を「開業資金」という視点でまとめ直すと、こうなります。

開業費用の総額は、車両を含めて200万円以上。 さらに開業してすぐに売上が安定するとは限らないので、その後の運転資金まで考えると、300万円ほどの資金計画が現実的です。

「そんなに用意できない」と思った方へ。全額を自己資金でまかなう必要はありません。借入は自己資金と同額程度が目安なので、逆算すると自己資金150万円以上が開業ラインになります。150万円は、本気で貯めれば2年で貯められる金額です。そしてこの金額を計画的に貯められることが、開業後にお金を管理していける力の証明にもなります。

逆に言うと、自己資金がほとんどない状態での開業はおすすめしません。これは一般論ではなく、実際にあった話です。自己資金が非常に少ない状態で開業し、車両の選択肢が狭まり、返済に追われて閉店に至ったケースを、廃業事例の記事で正直に書いています。開業資金は「集められる最低額」ではなく「続けられる金額」で考えてください。

なお、サニーズクレープのフランチャイズ費用の詳細な内訳は料金・費用のページですべて公開しています。

売上・収入の実態については、こちらの記事で公開しています。
クレープキッチンカーの年収はいくら?経費と手取りまで全部公開

個人開業とフランチャイズ、どちらを選ぶべきかについては、こちらで判断基準を書いています。
キッチンカーは個人開業とフランチャイズどっちがいい?【FC本部が正直に書きます】