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キッチンカーは個人開業とフランチャイズどっちがいい?【FC本部が正直に書きます】

キッチンカーで開業するとき、個人で始めるか、フランチャイズに加盟するか。

この記事を書いているのは、クレープキッチンカーのフランチャイズ本部です。だから普通に考えれば「フランチャイズがおすすめです」と書くのでしょうが、そうは書きません。個人開業した方がいい人は、はっきりいます。19年この業界にいて、34店舗の開業を見てきた立場から、どちらを選ぶべきかの判断基準を正直に書きます。

先に結論だけ言うと、「何をやりたいか」と「何を持っているか」で答えは変わります。順に見ていきます。

個人開業した方がいい人

次のどれかに当てはまるなら、フランチャイズに加盟せず、個人で開業することをおすすめします。

なんでも自分でやってみたい人(失敗してもいいから)

車両選び、メニュー開発、保健所対応、場所探し——全部を自分の手で試行錯誤したい。失敗も経験として楽しめる。そういう人にフランチャイズのルールは窮屈なだけです。

ただし、ひとつだけ現実を書いておきます。個人でレシピを開発して勝つのは、相当な難易度です。キッチンカーは「1年で5割、3年で8割が廃業する」と言われる世界です。その中で当店が19年続いてこられたのは、やはり生地のレシピと材料の目利きがあったからだと思っています。ネットで拾ったレシピ、他と同じようなクレープでは、なかなか勝てません。それでも自分のレシピで挑みたい——その覚悟があるなら、個人開業は面白い道です。

時間がたくさんある人

キッチンカーは、知ること・覚えること・実践すること・経験しないとわからないことの連続です。時間をかけてひとつずつ身につけていけるなら、フランチャイズが提供する「時間の短縮」に、お金を払う必要はありません。

資金に余裕がある人

意外に思われるかもしれませんが、資金が潤沢な人ほど個人開業に向いています。ただし正直に付け加えると、個人開業は無駄なものに費用をかけすぎる傾向があります。使わない装備、過剰な車両、効果のない販促——判断基準がないまま買い物をすると、開業費用は膨らみます。その授業料を払える人なら、個人開業で問題ありません。

趣味でやりたい人

週末にたまに出店する、イベントのときだけ営業する——そういうスタイルなら、個人開業一択です。フランチャイズは本業として、地域のお客様・出店場所・取引先、そして何よりオーナー自身にプラスになる事業を続けるための仕組みです。趣味のペースにロイヤリティは合いません。

商品を固定したくない人

今までにない新しい商品をやってみたい。場所によって売るものを変えたい。いろんな商材を試したい。それは商品への「こだわり」より「自由」を優先するスタイルで、悪いことではありませんが、専門店のフランチャイズとは根本的に相容れません。個人開業してください。

フランチャイズが向いている人

逆に、こういう人にはフランチャイズが機能します。

ただし、フランチャイズなら何でもいいわけではありません。ここからが、この記事でいちばん書きたかったことです。

フランチャイズ選びで騙されないために

フランチャイズには、どの会社にも必ずルールがあります。

加盟前の説明でルールをしっかり聞いて、「守れる」と判断できたら加盟すればいい。守れない・守りたくないと感じたなら、最初から個人開業するべきです。加盟してからルールに不満を言うのは、オーナーにとっても本部にとっても不幸です。

「ロイヤリティ無料」には理由(カラクリ)があります。

ロイヤリティなしをうたう会社に限って、よく見ると——

——という構造になっていることが多い。本部がボランティアで運営できるはずがなく、収益はどこかに必ず載っています。それを見えないところに隠すのは、本当の意味で誠実ではないと私は考えます。「どこで本部が儲けているのか」が見えない会社は、疑ってください。

見るべきは、社長が商品とオーナーを愛せているかどうか。

フランチャイズとは名ばかりの「開業支援会社」が、この業界には多くあります。加盟金を受け取って車両を売ったら、あとは放置——それは開業支援であって、フランチャイズではありません。

選ぶ基準はシンプルです。

  1. その商品・コンセプトを、自分が心から気に入るか
  2. 社長の考えに共感できるか
  3. 本部の収益構造が透明か

冷静に判断してください。騙されないでほしい。これは本部側の人間としてではなく、19年この業界を見てきた1人としてのお願いです。

参考:当店のロイヤリティの考え方

具体例として、当店(サニーズクレープ)のロイヤリティの決め方を書きます。手前味噌になる部分はご容赦ください。ひとつの判断材料として読んでください。

フランチャイズのロイヤリティは、売上の5%程度が目安だと考えています。当店は月額固定33,000円(税込)。スタンダードな稼働(月商100〜120万円)なら、ちょうど3%前後に収まる水準です。

この金額には理由があります。私自身がフランチャイズ本部を作る前、開業当時のクレープキッチンカーのロイヤリティ相場は月10万円でした。オーナーとして営業していた実感から、「10万円では、オーナーの手元に利益が残らない。店が続かない」と考え、継続して店を続けられる水準として月3万円(+税)に決めました。

正直に書くと、月額固定にはデメリットもあります。のんびり稼働(月商40〜70万円)だと、売上に対するロイヤリティの比率は重くなります。逆に、しっかり稼ぐ店ほど負担率は下がる。つまり頑張った分だけ、本当にオーナーの利益につながる設計です。これは意図してそうしています。

その対価として提供しているのは、19年分のノウハウ、生地のレシピ、材料の目利き、仕入れ業者の紹介(その地域で最も安く仕入れられる卸業者の選定)、本部を通じた契約出店場所の紹介、原価管理ツール、営業日報ツール(確定申告を想定した帳簿機能)、メニュー共有、オーナー同士のLINEグループ、出店場所の告知ツール、SNS運用のサポート、ホームページ経由の出店依頼——などです。妥当かどうかは、読者のみなさんが判断してください。

最後に:売上だけを求めるなら、クレープはやめた方がいい

もうひとつ、正直に書きます。

ただ売上・お金だけを追い求めるなら、クレープはおすすめしません。大型イベントで肉系——ケバブや唐揚げ——を売っていた方が儲かります。回転も客単価も、イベントでの爆発力も向こうが上です。

それでもクレープをすすめられるのは、こういう人です。

そして、これは理屈ではないのですが——クレープは楽しい。目の前で生地を焼いて、目の前で巻いて、お客様の顔を見ながら手渡す。シンプルなのに奥が深い。他の商材より絶対に楽しいと、19年やってきて思います。

個人開業でもフランチャイズでも、この楽しさは同じです。あなたに合う始め方を選んでください。

開業費用と収入の実態は、こちらの記事で実数を公開しています。

実際のオーナー28人の本音(「楽な仕事ではない」を含む)は、こちらの記事で公開しています。